静かに語られる感情ほど、深く心に残るものはありません。
ベルギー出身のルーカス・ドン監督が描く2つの物語──『CLOSE/クロース』と『Girl/ガール』は、繊細な心の揺れや、言葉にならない痛みを丁寧にすくい上げた作品です。
どちらも観る人の感情に寄り添い、静かな衝撃を残します。
少年たちの友情と距離、夢に向かう少女の葛藤──その表現は決して大げさではなく、静けさの中にある強さが胸を打ちます。
紗sya秋の夜長にじっくり味わいたい、ルーカス・ドン監督の2作品をご紹介します🍂
『CLOSE/クロース』
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原題 | Close |
| 製作年 | 2022年 |
| 製作国 | ベルギー・フランス・オランダ |
| 上映時間 | 1時間44分 |
| 監督 | ルーカス・ドン |
| 出演 | エデン・ダンブリン グスタフ・ド・ワール エミリー・ドケンヌ レア・ドリュッケール |
【映画レビュー】少年たちの繊細な心の距離
2022年公開の映画『CLOSE/クロース』は、ベルギー出身のルーカス・ドン監督による長編作品。第95回アカデミー賞では国際長編映画賞にノミネートされ、世界中で高い評価を受けました。
海外では「観客が最も泣いた映画」と評されるほど、本作は観る人の心を深く揺さぶります。13歳の少年レオとミ(レミ)の友情と心の揺れを描いた、静かで深い感情の物語です。親密すぎる関係を周囲にからかわれたことで、レオはミとの距離を取ろうとしますが、その選択が思いもよらぬ結果をもたらします。
「永遠を壊したのは、僕。」
「僕のせいで、君をひとりにしたのだろう」
──レオの言葉が胸に刺さり、涙が止まらなくなる人も多いはず。
『Girl/ガール』
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原題 | Girl |
| 製作年 | 2018年(ベルギー) |
| 上映時間 | 1時間45分 |
| 監督 | ルーカス・ドン |
| 出演 | ビクトル・ポルスター アリエ・ワルトアルター オリバー・ボダール |
【映画レビュー】痛みと美しさが交差する青春の軌跡
2018年公開の映画『Girl/ガール』は、ベルギー出身のルーカス・ドン監督による長編デビュー作。
本作は、トランスジェンダーの主人公ララがバレリーナを目指す姿を描いた、静かで力強い物語です。
ララは15歳。バレリーナになるという夢に向かって、心を込めた努力を重ね、難関と言われるバレエ学校への入学を認められます。
しかし、周囲の視線や身体的な葛藤、精神的なプレッシャーなど、様々な試練が待ち受けており──
次第に心身ともに蝕まれていく……。
海外では「観客が最も泣いた映画」と評されるほど、この作品は観る人の感情を深く揺さぶります。
静かな演出の中に込められた痛みと美しさが、観る者の心に長く残る一作です。









