ゴンママの言葉がいちいち優しく心に響く、ハートウォーミングなお話
- 著者:森沢 明夫
- 発行年:2015年
- 2022年10月映画公開(監督:横尾初喜)
あらすじ
身長2メートル超のマッチョなオカマ・ゴンママ。昼はジムで体を鍛え、夜はジム仲間が通うスナックを営む。名物は悩みに合わせた特別なカクテル。励ましの言葉を添えることも忘れない。いつもは明るいゴンママだが、突如独りで生きる不安に襲われる。その時、ゴンママを救ったのは、過去に人を励ました際の自分の言葉だった。笑って泣ける人情小説。
「BOOK」データベースの商品解説
感想
Kindle Unlimitedでタイトルがなんとなく気になり、初めて読んだ作家さんの作品。読みながらテレビ東京とかでドラマになりそう…と思ってたら映画になってた。映画の予告動画を見たけど世界観そのままなかんじでおもしろそう。
2メートルのマッチョなオカマのゴンママは強烈キャラだけど、各章のお話は結構ありそうな設定が多い。大好きな娘が高校生になり、冷たく接するようになったことに悩む父親。若い社員とのジェネレーションギャップに悩む社長…とか。ちょっとべただなぁ…なんて読んでいても、年齢や性別も違う、それぞれの登場人物の抱えている悩みや孤独感など自然に共感してしまい、各ストーリの山場でついつい涙腺がゆるむ。ゴンママが経営している「スナックひばり」のバーテンダー、カオリちゃんにママが言った言葉。
「そうよ。夢を叶えた瞬間にね、きっとカオリちゃんは思うはず。ああ、わたしのこれまでの人生は、今日、この日のためにあったんだって。その瞬間、まるでオセロの黒い列が、端っこから一気にパタパタと白に変わるみたいに、辛かった過去がキラキラした大切な思い出に変わるのよ」
大事なことほど小声でささやく
悩みを抱えて心がささくれ立っている時って視界が狭くなっていて、心も固く縮こまっている。そんな時にゴンママの冗談混じりの優しい言葉が違う視点を与えてくれて、視野が広がり心も柔軟になり、頑張れそうな気がしてくる。めちゃめちゃ読みやすい文章で、入り込みやすい。他の作品も読んでみたくなった。ほっこりした気分になりたい時に超おすすめ。
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