昨年から楽しみにしていた「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展(ウィーンが生んだ若き天才)」に行ってきました。平日の午前中、しかも大雪警報が出ている中だったのでガラガラかな?と思いながら雪が降る中、東京都美術館へ向かいました。さすがにガラガラってほどではありませんでしが、静かで快適に観賞することができました。お天気だったらもう少し混雑しているのではないかな?と思います。当日券も全く並ばず購入することができました。
私は、グスタフ・クリムトが大好きなのですが、2019年に「エゴン・シーレ展」と同じ東京都美術館で「クリムト展」が開催されました。それとちょうど同じ時期に「ウィーン・モダン展」(クリムト、シーレ 世紀末への道)も国立新美術館で開催され、クリムト目当てに行ったのですが、そこでシーレの魅力にも目覚めてしまいました。
オーストリアのウィーンにあるレオポルド美術館は、世界有数のシーレ作品のコレクションで知られる美術館。そのレオポルド美術館所蔵作品を中心に、シーレの作品50点、クリムト、ココシュカ、ゲルストルなど同時代の作家たちの作品もあわせた約120点が展示。こういった展覧会は約30年ぶりとのこと。
この「エゴン・シーレ展」は14章から構成されていて、ウィーンの美術界の流れがわかるようになっています。
※9章(エゴン・シーレ 風景画)のみ写真撮影OKでした
1 | エゴン・シーレ ウィーンが生んだ若き天才 |
2 | ウィーン1900 グスタフ・クリムトとリングシュトラーセ |
3 | ウィーン分離派の結成 |
4 | クリムトとウィーンの風景画 |
5 | コロマン・モーザー 万能の芸術家 |
6 | リヒャルト・ゲルストル 表現主義の先駆者 |
7 | エゴン・シーレ アイデンティティの探求 |
8 | エゴン・シーレ 女性像 |
9 | エゴン・シーレ 風景画 |
10 | オスカー・ココシュカ ”野生の王” |
11 | エゴン・シーレと新芸術集団の仲間たち |
12 | ウィーンのサロン文化とパトロン |
13 | エゴン・シーレ 裸体 |
14 | エゴン・シーレ 新たな表現、早すぎる死 |
シーレの作品はもちろん、その他の画家の作品もとても見ごたえ十分、楽しめました。クリムトの作品も思ったより多くて嬉しかったです。後半になるにつれて、シーレが生涯をかけて取り組んだと言われる「完璧な線」が堪能できます。シーレが描いたどんな絵も野暮ったさが全くなく、研ぎ澄まされたかっこよさがあると思います。それはやはり、類まれなデッサン力と「完璧な線」のなせる技なのでしょう。とにかくドローウィングの線を見ているだけで「天才」と言われる所以がわかります。そして、視線をこちらに向けてくる人物画(「悲しみの女」「母と子」など)は脳裏に焼き付き、家に帰ってからも何度も思い出すほどでした。
「すべての芸術家は詩人でなければならない。」というシーレの言葉通り、シーレの詩的な文章も紹介されています。どれだけ芸術に情熱を持ち続け、苦悩しながら高みを目指していたのかがよくわかります。
ショップコーナーでのお買い物の品々。ポストカード5枚とマグカップとプレート。
右上の「悲しみの女」と左上の「母と子」の子のほうのこちらに向けてくる視線が忘れられない。
左下の裸婦のドローウィングはシーレにしては珍しく?女性が愛らしい表情をしていて、とても素敵な作品でした。
マグカップは形がスッとしていて、ほおずきが可愛かったので買ってしまった。ついプレートまで。
裏側にシーレがいます。
美術には全く詳しくないのですが、美術館に行くのは好きです。私にとって美術館に行くということは、小説読んだり、映画見たりするのと同じく「浮世を忘れる」行為。ウィーンの世紀末の夭折の画家に思いを馳せ、普段考えないことを考える…..とても贅沢な時間を過ごすことができました。思い出に深く残る展覧会でした。
4月9日(日)まで!(休館日:月曜日)
一般 2,200円
展覧会公式サイト